調 査 手 法 事 例

1  地下水調査(水源開発) 5  土壌汚染・地下水汚染調査
2  トンネル調査(比抵抗映像法) 6  埋設農薬調査
3  トンネル調査(高精度弾性波探査) 7  ため池老朽化調査
4  地下空洞調査(防空壕等) 8  SDL水位計による地下水位調査



  ため池老朽化調査

   [ため池の機能診断と改修]

長年月を得たため池は、老朽化等に伴い、地震、豪雨などの外的により災害が懸念されている。特に、近年では、ため池周辺の宅地化が進み、下流への二次災害が懸念される場合もあること、既存のため池は、耐震設計を行っていないものが多くあること等から安全性の照査、改修が必要となってきている。
要改修の必要性のあるため池の判断は、次のような事項である。

    @.堤体、基礎地盤からの漏水量
     どの程度の漏水量があれば危険であるかは、漏水箇所、堤体の土質などに依存するために一概に決めることは困難である。平均的な規模のため池では、堤体上の透水係数が1×10^3cm/s程度の時の漏水量を想定して、目安として60T/min/堤頂長100mを基準としている。
    また、浸潤線が下流斜面の高いところに出ている場合は、堤体の安全性にとって問題であり、漏水量と合わせて改修の必要性を判断する必要がある。

    A.堤体のクラックおよび変形
     クラック、余裕高不足、不安定な堤体断面、洪水吐の機能低下、能力不足、および取水施設の破損、機能低下などが判断事項となり、これらを総合的に評価して改修の必要性、緊急性を判断する。この中で、特に堤体を横断するクラックについては注意深く原因を調査する必要がある 。


   [改修の緊急性のあるため池]

 緊急性については、平成12年2月25日付けで農林水産省構造改善局(現農村振興局)より「農業用ため池緊急整備計画の作成について」の通達がなされ、その中で、事業実施の緊急性を明らかにした指標が示された。この指標では、従来の構造的老朽化の指標に加えて、農業経営への影響度、下流への被害程度の項目を加え、項目別に点数化してため池整備の緊急性、必要性を客観的に判断している。
 また、緊急性が高いと判断されるため池の改修を行う場合には、地震動に対する堤体の損傷、液状化等についての耐震性を考慮した設計を行う必要がある。


   [ため池の堤体内部のモニタリング手法]

   ・ため池堤体内部の湿潤状況を面的かつ長期的に監視する調査として、比抵抗トモグラフィを利用した方法も
    有効である。

   [ため池の破堤による被害予測]

   ・ため池の安全対策として最近では、堤体の耐震補強だけでなく、万一破堤した場合の下流域の被災・災害
    解析とソフト対策が重要な検討課題となっている。
    その手法として、堤体の破堤シミュレーションによる下流域の被害想定が行われている。
 

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