鹿児島県内の地質メモ

 1.県本土の
  模式地質断面図
 2.写真で見る
  鹿児島の地質
 3."しらす"及び"ぼら"
  の分類と工学的性質
 4.四万十層群の地質
  特性について

  1.県本土の模式地質断面図
 
 鹿児島県本土域では、第四紀以前の固結した堆積岩(pN:四万十層群、日南層群等)や火成岩類及び同期堆積層(N:古期火山岩・火砕岩及び南薩層群、永野層相当層:N〜Q:新期火山岩・火砕岩及び国分層群相当層等)がそれぞれの地域の骨格山地を形成し、分布している。
 これらを覆って、噴出源、噴出時期を異にする多くの火砕流堆積物(pK−KP:先加久藤一加久藤火砕流堆積物、at−arP:阿多一姶良火山火砕流堆積物・降下軽石層及び姶良層など同期堆積層)が広く厚く分布している。
 この火砕流堆積物の非溶結部は通常「シラス」と呼ばれ、溶結部の溶結凝灰岩とともに骨格山地の間の地形的凹部を埋めて、大小の台地を形成している。

 火砕流堆積物分布地域における地下水は、骨格山地を構成している岩層の地下地形に支配されて流動しており、一義的には、この地下水が開発の対象となる。
 一方、骨格山地や火砕流堆積物分布地域、あるいは河川沿いに発達する沖積層(H)の深部を構成する固結堆積岩や火山岩類は、岩体としては難〜不透水性であるが、割れ目の発達する部分では「裂か水」が賦存しており、井戸掘削技術の進展とも相侯って、この裂か水の開発が進められている。

◎県本土域における模式地質断面図



     
地質凡例
H/HV
at−arP
 
pK−KP
 
N〜Q
 
N
 
G(N)
pN
沖積層/現世火山噴出物
阿多−姶良火山火砕流堆積物・同期堆積物
 
先加久藤−加久藤火砕流堆積物・同期堆積物
 
鮮〜更新世火山岩類・同期堆積物
 
中〜鮮新世火山岩類・同期堆積物
   
花崗岩類
先新第三期堆積物(四万十累層群等)
粘土、砂、磯/火山灰、ローム
シラス(デイサイト質軽石凝灰岩)、溶結凝灰岩、降下軽石層・シルト、砂、礫
シラス(流紋岩〜デイサイト質軽石凝灰岩)、溶結凝灰岩・シルト、砂、礫
流紋岩〜デイサイト、安山岩類及び同質火砕岩・シルト、砂、礫
流紋岩〜デイサイト、安山岩類及び同質火砕岩・シルト岩、砂岩、礫岩、凝灰岩
花崗閃緑岩、花崗斑岩等
頁岩、砂岩及びこれらの互層

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